2011年9月2日金曜日

「歓待」の精神史


催眠や相談でいらっしゃる方の中には、
結構自分の存在や思考のあいまいさに悩まれて、
「私は人として欠けているのではないか?」
と結論付ける人もいらっしゃいます。
そして、「だけどそんな風に結論付ける必要があるのか?
ただ、そういうあいまいな存在と決めつけているから、
人との関わりや受け入れを拒絶しているのでは?
それは相手の存在を認めていないことではないか?
相手や世界の存在を認めないから、
「自分」があいまいなのではないか?」と、また悩まれます。
そんなわけで、私が相談者へのアプローチに困窮することもあります。
人間の存在確認は、一人ではやりにくいと思う一瞬です。

ところで、いつもお仕事をさせていただく喫茶店『一楽章』で
相談者とのお話が終わったら、
カウンター席で物静かに本を読んでいらっしゃる
上記写真の八木さんとお話をすることがあります。
「痛みを考える」でも書いたように、この人は哲学の先生なのです。
哲学を学んだことがない私にも理解できるように、
さりげなく話の中で重要なアドバイスをしてくれます。
八木さんは著書「歓待」の精神史を講談社から発刊しております。
お勧めです。ぜひご一読ください。
小説じゃないのに読み進めるのが楽しいと思った1冊です。
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